2006年10月19日
南極OB会 茨城支部
支部長 安仁屋政武
幹事長 青木輝夫
南極OB会茨城支部主催「南極教室」実施報告書
-南極観測50周年記念行事-
6.講演会
茨城支部からの8名の講演に加え、元国立極地研究所所長の渡辺興亜氏による特別講演を行った。講演内容は南極観測の意義、最新の観測結果、つくばと南極との関わり、50年の歴史などバランスよく構成され、南極観測の様子を知るのにふさわしい大変充実した内容であった。南極OBにとっても勉強になる内容であった。科学フェスティバルが、主に小中学生〜高校生が対象であったため、講演会への来場者が若干少なめであったので、講演会向けの集客活動を行う必要があったのが反省点である。(講演会担当:中島英彰)
講演時間 講演者 所属 講演題目
10月7日(土)
10:00-10:45 池田 博 筑波大学大学院 「南極と北極を経験して」
10:45-11:30 桜庭俊昭 元産総研 「南極への夢・今南極は」
13:15-14:00 村井 正 宇宙航空研究開発機構 「南極越冬隊と宇宙飛行士」
14:00-14:45 福崎順洋 国土地理院 「南極を測る」
15:00-15:30 <ライブステージ:南極昭和基地とのテレビ生中継>
10月8日(日)
10:00-10:45 渡辺原太 土浦ジステック(株) 「南極の交通事情とドームふじ基地」
10:45-11:30 石井雅男 気象研究所 「大気の二酸化炭素を吸収する南極海とその生き物たち」
13:15-14:00 中島英彰 国立環境研究所 「オゾンホールの発見と現状」
14:00-14:45 多賀正昭 元日立製作所 「電気と水の消費量から見た昭和基地の文化生活」
14:45-15:30 渡辺興亜 元国立極地研究所所長 「南極観測50年の今と昔」
講演会の様子 |
7.テレビ会議
つくば市内の6つの小学校5・6年生6人による昭和基地との生中継を30分間行った。会場は親子連れなど約250人でほぼ埋まった。
生中継では、ステージ上の子供さんの質問や会場からの飛び入り質問に、昭和基地からユーモアを交えた巧妙な受け答えをするなど、会場を沸かせる場面が多々あった。また、「南極での観測は、私たちの未来を明るくしてくれますか?」といった南極関係者もちょっと考えさせられるような質問もあり、あらためて南極に対する関心の高さをうかがうことができた。(テレビ会議担当:土井元久、渡辺原太、中島英彰)
昭和基地とのテレビ会議(常陽新聞社提供) |
8.展示
つくばカピオのホワイエ(講演ホール前室)にて、10月7-8日の2日間、アデリーペンギンやナンキョクオオトウゾクカモメの剥製・南極で採取された隕石・南極氷・衣類等の装備品・大型写真パネル・南極関連のパネルなどの展示を行った(資料2参照)。会場は親子連れなど約3300人の入場があった。
アデリーペンギンやナンキョクオオトウゾクカモメが入場者を迎え、南極氷コーナーでは、何万年も前の空気の音を聞いたり、氷の冷たさを感じてもらった。記念写真コーナーでは、装備品の羽毛服や防寒靴を実際に着て、「昭和基地」の看板の前で記念写真を撮ってもらった。主要なコーナーには、説明員として茨城県内の南極OBが立ち、それぞれの経験に基づいた説明を行った。茨城県内のつくば地域に特に数多くの南極観測隊員が居ることを理解してもらえ、南極観測の重要性について理解してもらえた。
パンフレットや紙模型などの数が入場者数に比べ、少なかったため、2日目は午前分・午後分に事前に分けて配布を行った。(展示担当:佐々木利)
案内で資料を受け取る子供たち |
展示の全体風景 |
南極の氷に触れる子供たち |
写真パネルの前で羽毛服を着て記念撮影 |
9.広報
「南極教室」の広報活動は、本行事がつくば市主催の「科学フェスティバル」に参加する形態で実施したことにより、つくば市による活動と南極OB会茨城支部独自の活動に分けることができる。つくば市では「科学フェスティバル」のチラシやマスコミ等への宣伝を、市内の小中学校、市関係施設、県内外での街頭配布など広範囲に行われた。南極OB会茨城支部独自の活動としては、「南極教室」のチラシを市関係の施設(公民館、老人福祉施設、障害者施設)に市を通じて配布した。また、南極OB会茨城支部内の各職場に、「南極教室」のチラシ及びポスターを配布した。マスコミ関係では、つくば市研究交流センター内にある記者クラブへのチラシと企画書の投げ込みを行った。この結果、「南極教室」に関する事前の新聞掲載が2件(「科学フェスティバル」に関しては多数)、事後の新聞掲載が2件(資料3参照)、地元有線テレビが1件という扱いであった。大手新聞社、テレビによる扱いがなかったことが反省点である。(広報担当:青木輝夫)
10.記録
南極教室の記録として、準備作業、講演会、昭和基地ライブ中継、展示の模様を、ビデオカメラとデジタルカメラで収録した。収録した映像をDVD化し、南極教室開催に協力していただいたOB会本部、つくば市、小学校などの関係機関に感謝の意と共に配布した。
この記録がOB会茨城支部の活動記録として残せたことにも意義がある。(記録担当:梅田一徳、岡村盛司、森一彦、石塚徹)
11.会計
国立極地研究所をはじめ、つくば市等の機関、団体、企業から展示物、会場及び必要器材を提供していただいた。また、消耗品や輸送費などの必要経費については南極OB会に負担していただいた。幹事会やボランティア参加者の方々には、手弁当で会に参加いただいた。多くの皆様のご協力により、必要経費を大幅に抑えることができた。(会計担当:平岡喜文)
「その他(関連リンク)/謝辞」 へ続く