西堀榮三郎さんのお宅を訪問(東京都大田区)

2013年2月9日、東京都大田区鵜の木にある、日本南極地域観測隊第1次越冬隊長
(故)西堀榮三郎さんのお宅を訪問しました。
1937年ご本人の設計による築75年の、とても魅力的な山小屋風の建物です。

東急多摩川線鵜の木駅から徒歩3分、うっそうたる木々が生い茂る一角が見えてきました。入口の看板には、残念ながら、2月末で、一般公開は一度おしまいにするとの案内がありました。家への登り口は、まるで登山道のはじまりのようです。

西堀邸は、山小屋をイメージして、茶色で統一しているようです。
築75年とは思えぬ立派な造り。
入口のベルは、ひもで引っ張るカウベル。
家の入り口では、樹齢80年のヒマラヤスギが出迎えくれます。

玄関から家の中に入ったところ。重厚なたたずまいの廊下。

この家で、第一次越冬隊員候補の集まり (家族ぐるみで) が何度も開かれたそうです。

リビングの様子。
桜の無垢のテーブルとイスが際立っています。
年代物のピアノは、調律ばっちりだそうです。
キッチンとの間には、カウンター式ハッチがあり、食事の受け渡しができるようになっています。
昭和基地の食堂と同じつくりですね。
居間の鳩時計は、西堀さんが結婚祝いに南ドイツから購入したものとのこと。
ここは応接間。(故)植村直己さんらもよく訪れていたとのこと。
その後は、いろんなセミナーとかにも使われていたようです。
ベランダから眺める庭の景色が素敵です。
この部屋の下には、戦時中は防空壕が掘ってあったとのことです。
2階には寝室が5つほどあり、さらに屋根裏部屋も。
ベランダなども付いていて、とても快適そう。
3時のお茶の時間には、西堀峯夫さんお手製のブリュスケッタをご馳走になりました。
室内には、いろいろと西堀さんゆかりのものの展示があります。
これは、81歳の時の正月にしたためられた色紙。なかなか達筆です。
玄関を入っていきなり出迎えてくれるのが、このペンギンの上半身のはく製。
なんでも、胴体から下は帰路に腐ってしまったので、ペンギンの全身のはく製を作ることができずに、このような形になってしまったとか。
羽(フリッパー)も、変な場所についています。ちなみに、今では南極の生物をこのように持ち帰ることは許されていません。
この暖炉は、家の建設中に、西堀榮三郎さんがご自分でレンガを積んで作ったものだそうです。
「東芝」にもかつて務められたことがある西堀さん。
このテレビは、南極越冬から帰ってきてから購入されたとのことです。
NHK朝ドラ「梅ちゃん先生」にも出てきていましたが、本物ですね。
西堀榮三郎さんと奥様
現在このお宅とドイツを行き来されている、西堀榮三郎さんの三男・峯夫さんとのツーショット。

中島 英彰