南極観測50周年記念事業委員会発足の経緯

 村山雅美他長老OBによって南極観測50周年記念事業の企画・検討に関する懇談が始められ、平成17年5月27日に南極観測50周年記念事業委員会が立ち上げられました。発会にあたって村山委員長は、「マナスル登山から南極と出会うまで、隊長永田武、越冬隊長西堀栄三郎、朝日新聞矢田喜美雄記者、文部省岡野澄学術課長、鳥居鉄也氏との出会い、文部省が決定してから4年4ケ月の異例の速さで1956年11月8日、宗谷が出港した.来る2006年11月8日を記念日とし、南極50周年記念事業に向けて、準備をしていきたい.」と述べられております。(南極観測50周年記念事業委員会発会総会議事録2005.5.27より引用)
 南極OB会による南極観測50周年記念事業まで経緯概要を簡単に報告します。

2002年有志懇談会の発足

2002年11月26日  「長老会議」開催
 (村山、川口、村越、柴田、国分、吉田、三田、久松、楠、小野、渡辺)
  ・50周年の起算日の検討、1956年11月8日「宗谷」出港日が大勢を占めた.
2003年 6月16日  「拡大長老会議」
  ・記念事業案に関する検討

2003年発起人会発足

2003年 8月 8日  第0回発起人会
  ・ 記念事業委員会委員案の検討、準備委員会委員候補の選定、
   準備委員会委員長に村山雅美氏、幹事長に国分征氏を推挙
12月19日  第1回発起人会
  ・ 記念日起算日の確認(56年11月8日)  
    記念事業委員会の位置付(南極OBを中心とする組織とする)     
2004年 3月 4日  第2回発起人会
5月19日  第3回発起人会

2004年記念事業準備委員会発足

      8月25日  第1回記念事業準備委員会発足総会
  ・ 南極観測発足時の経過について(小野)、
    海鷹丸関係の委員の推薦(山口教授)、
    準備委員会委員長(国分)、副委員長(渡辺)の選任、
2005年 1月24日  第2回記念事業幹事会
3月24日  第3回記念事業幹事会
  ・ 記念祝典出席者数を500人と想定、地方講演会計画推進、出版計画
   (「南極観測の50年」、写真集、隊次記録などの案)
4月27日  第4回記念事業幹事会
  ・ 記念祝賀会会場の決定、写真集

50周年記念事業委員会発足

2005年 5月27日  50周年記念事業委員会発足総会
  ・ 記念講演会、出版事業、記念品についての検討経過
  ・ 記念事業委員会組織案(委員長、顧問、副委員長、企画委員会などの承認)
7月14日  記念祝賀会場関係者との打ち合わせ   
8月 3日  幹事会
  ・ 祝賀会、地方講演会、出版事業、事務局開設検討、ホームページ、
    OB会会員名簿の整備・管理体制確立などの検討
9月 2日  幹事会
  ・ 出版計画
9月13日  総務部会 
  ・ 式典総合スケジュール調整、記念品打ちあわせ
10月 5日  事務所開き
10月21日  幹事会
  ・ 第二回記念事業委員会の打ち合わせ、募金趣意書案検討
10月24日  第2回記念事業委員会
   開催日時:平成17年5月27日 15時~17時
   開催場所:国立極地研究所6階講堂
   参加者:約50名
  ・ 経過報告、記念事業案の承認(募金計画の大要など)
 2006年 2月10日  第3回記念事業委員会(企画委員会)
   開催日時:平成18年2月10日(金)15:00~17:30
   開催場所:国立極地研究所6階講堂
   参加者:約50名
  ・ 企画委員会において、実行委員会事業計画案を承認

南極観測50周年記念事業計画案

1.南極観測50周年記念事業の趣旨

 わが国が1957?58年の「国際地球観測年、IGY」(第3回国際極年)に参加し、第1次南極地域観測隊を南極観測船「宗谷」で送り出して以来、平成18年11月8日で50年になります.
 この50年間に南極観測に参加した観測隊員は二千人を越し、支援観測船乗組員は三千人以上の多数にのぼります.一昨年南極観測参加者によって創られた「南極OB会」を中心に、南極観測50周年を祝うべく記念事業委員会が発足しました.50年の歴史を祝賀し、未来を展望するとともに、南極観測によってえられた科学的成果、設営的技術成果を広く国民に伝えることを目的に記念事業を計画いたしました.これを機に南極観測の新たな発展を願っております.
 わが国の南極観測は第一次隊によって東南極大陸、宗谷海岸に昭和基地を設けた後、さらに「みずほ」、「あすか」基地を内陸に展開し、1990年代には南極大陸の内陸高地の頂上域に「ドームふじ」基地を設けました.こうしたわが国の観測基地の配置は南極大陸の気候区に対応する、南極大陸で唯一の観測プラットフォーム・システムとなっています.そこでは地球が現実に直面する科学的課題に対応した観測が行われています.
 過去50年間には、「やまと山脈踏査」、「昭和基地?南極点旅行」、「ロケットによるオーロラ観測」、「大量隕石収集」、「オゾンホール現象の発見と発現機構の解明」、「海洋生物生産性観測」、「100万年の過去に遡る氷床深層コアの採取」など多くのプロジェクト観測に成功し、最近では特に、地球環境変動に関する観測において大きな成果をあげ、また精密な環境モニタリング観測を展開しております.
 本記念事業では、将来のさらなる発展を願う祝賀行事を行うとともに、これまでの観測成果の全国規模の講演会、南極観測の科学的成果および人間的側面からみた観測記録の出版などを企画 し、平成18年11月8日を50周年記念の日として記念事業を計画しております.
2.事業計画案

 2.1 南極観測50周年記念祝賀会
    開催日:平成18年11月8日(水)
  • 「宗谷出港記念」式典
    • 於:船の科学館、「宗谷」船上
    • 開会時刻:午前10時30分
  • 「しらせ」見学
    • 開会時刻:午後3時30分
  • 「50周年記念」式典
    • 於:赤坂プリンスホテル
    • 開会時刻:午後6時

 2.2 記念講演会
  • 講演会「“宗谷”での観測時代」
    • 記念事業委員会・船の科学館共催   
      開催日:平成18年11月8日 午後1時開演
      会場:船の科学館(一般公開)
  • 50周年記念講演会「南極観測の50年」
    • 記念事業委員会・国立極地研究所・(財)日本極地研究振興会共催
      開催日:平成18年11月?19年1月(未定)
      会場:都内会場(一般公開)
  • 記念南極教室「南極の自然と人」
    • 国立極地研究所・記念事業委員会・日本科学未来館共催
      開催日:平成18年10月?19年3月(未定)
      会場:日本科学未来館(小・中学生対象)

 2.3 支部主催地方講演会および記念事業行事

  北海道支部、秋田支部、宮城支部、新潟支部、富山・金沢・福井支部、
  長野支部、茨城支部、東海支部、京都支部、阪神支部、山陰支部、
  山陽支部、四国支部、九州支部、沖縄支部


 2.4 出版事業
  •  「南極観測:100人の証言」
    • 編集方針:50年の歴史を100人の1次~47次隊の観測隊員が語る
      編集委員長:平山善吉
      発行元:技報堂    
  • 「南極 にんげん 50年」
    • 編集方針:南極観測の背景史を9人の著者によって描く
      編集委員長:柴田鉄治
      発行元:丸善   
  • 写真集「南極観測の50年」
    • 編集方針:50年間にわたって南極観測隊が撮影した写真から厳選
      編集委員長:平山善吉
      発行元:毎日新聞社
3.予算案

 3.1 事業予算案
   出版経費               800万円
   講演会経費             1000万円
   東京講演会              200万円
   地方講演会、記念事業補助   800万円
   記念祝賀会関連          500万円
   事務局経費             200万円
   事業総額             2500万円

 3.2.募金計画
   募金期間:自 平成18年4月1日 ? 至 平成19年3月31日
4.記念事業組織 

 50周年記念事業委員会
  委員長:村山雅美
  委員長代理:平山善吉
  顧問:田英夫、鳥居鉄也、三角哲生、松浦光利、

  副委員長:平山善吉、川口貞男、北村泰一、小林昭男、吉田栄夫、中村純二、
  村内必典、小野延雄、星合孝男、高尾一三、三田安則、木崎甲子郎、藤原健蔵、
  川崎巌、西部暢一、芳野赳夫、村越望、楠宏、小口高、深瀬和巳、柿沼清一、若井登、
  平沢威男、大瀬正美、久松武宏、山口征也

  企画委員:川口貞男(委員長)
  平山善吉、小野延雄、国分征、柴田鉄治、増田博、渡辺興亞、竹内貞男、佐野雅史、
  内藤文彦、西尾文彦、藤井理行、福地光男、佐藤夏雄、神田啓史、鮎川勝、小島秀康、
  芦田成生、福谷博、白壁弘保、福井徹郎、白石和行、安藤久男、山田知充、高橋修平、
  高木知敬、井上正鉄、佐藤安弘、小林俊一、遠藤八十一、佐藤和秀、横山宏太郎、
  福西浩、青木周二、野村彰夫、鈴木啓助、岩坂泰信、関孝治、川田邦夫、阿仁屋政武、五味貞介、
  上田豊、中尾正義、斉藤隆志、吉川暢一、大谷修司、松本征夫、坂翁介、藤井功、
  楠瀬昌彦、菊池時夫、大城智

  機関・企業委員:吉村愛一郎(国土地理院)、山崎一郎(通総研)、福谷博(気象庁)、
  宗田幸次(海洋情報部)、稲葉智彦(報道)、三田安則(宗谷)、久松武宏(海上自衛隊)、
  中西実(いすゞ自動車)、志賀重男(小松製作所)、林原勝美(ヤンマ?)、
  金子誠一(大原鉄工)、村松金一(関電工)、坂本勝(三機工業)、丸山正文(飛島建設)、
  南雲正輝(ミサワホ?ム)、多賀正昭(日立)、芦田精一(NEC)、福島正治(調理)
  実行委員会:国分 征(委員長)
  祝典部会: 福谷 博*、三田安則、平山善吉、久松武宏
  広報部会: 深瀬和巳*、稲葉智彦、田口章利、柴田鉄治、糸永正之
  講演部会: 渡辺興亜*、吉田栄夫、國分 征
  出版部会: 柴田鉄治*、小野延雄、平山善吉
  記念品部会: 佐野雅史*、三上春夫、福井徹郎、大瀬正美
  総務部会: 渡辺興亜*
  総務: 佐野雅史、佐藤夏雄、白壁弘保、芦田成生、山岸久雄、安井和憲
       財務: 小野延雄、福谷博、宇都正太郎
       資料収集: 神田啓史、西尾文彦
  事務局長:福谷 博