戻る幻のコケを求めて北海道・大雪山へ ( 前編 )
 今回は、極つながりレポ

2016年7月末、北海道の大雪山に登ってきました。
旅のテーマは“北極要素のコケを追って氷河期時代に思いを馳せる”で、リーダーはkandaさん!
北極圏などに分布するそのコケは、日本では大雪山のとある湿地でしか見つかっていなくて、報告があったのも40年前に一度だけ。それを発見したのが当時学生だったkandaさんで、今回40年ぶりに探しに行くことに・・・。そこでお供させていただきましたー!
「でも場所の記憶が定かじゃないんだよねぇ」の発言に若干不安を感じつつも(^^; 初めての大雪の絶景に「来て良かった〜」と大感激☆本来の目的を忘れて?山登りを楽しみました♪

・・・ということで今回は、南極とは関係ないですが、極つながりレポート・前編です。


 緑岳を目指して出発!

ヒグマ出没注意です

kandaさんと奥様michikoさん

kandaさんと知り合いのoppataさん

急な崖!下りはもっと大変だった 

緑岳山頂付近は急斜面が続く

本格登山初のsuzukiも緑岳登頂

参加者は計4名。初日はふもとの大雪高原山荘にゆっくり一泊して、翌朝7:30から登山開始!
青空のもと、標高2020mの緑岳、そして宿泊予定地の白雲岳避難小屋を目指しました。

山に入ると、コケむした地帯からエゾマツがいっぱいの地帯と、周りの風景がどんどん変化。雪渓が残る第一花畑(1510m)というポイントあたりからは、緑岳がくっきり、色とりどりの高山植物も見られました。
さらに進むと第二花畑。そして、あちこちに「ヒグマ出没注意」の看板!!!クマの匂いや音にも気を付けながら、うっそうとした森を抜けます。
岩場の急斜面をガンバッテ登ると、視界が開け、いつの間にか山々が眼下に・・・。雄大な景観と足元の花や生き物たちを見ているうちに、13:55あっという間に緑岳頂上に到着です!!
旅館で用意してくれたお弁当をおいしくいただきました。


 2日目はテント泊

可憐なエゾツガザクラ

赤い建物が白雲岳避難小屋

緑とオレンジが我が家

早朝、テント場からの眺め

目指す白雲岳避難小屋は緑岳からそう遠くありませんが、なかなかたどり着けない・・・。
というのも、少し進むと新しい花や生き物に出会って、説明を聞いたり、写真を撮ったりが楽しくて・・・^^
説明してくれるのはkandaさんとoppataさん。oppataさんは自然地理学・地形学・植物地理学が専門で「ひがし大雪自然館」の学芸員さんでもあり、何でも詳しい^^
それにしても、こんなにいろんな高山植物を一度に見られるなんて本当にラッキー!

この日は小屋の横でテント泊。
元ワンゲルmichikoさんプランの焼肉&炊き立てゴハン、おいしかったです♪ そして、夜おしゃべりしてたら他のお客さんに怒られました(*_*; 夜8時消灯とは知らず。。。すいません。。ナキウサギの声を聞きながらおとなしく寝ました。

翌朝、テントから出て最初に会ったのがエゾシマリス。お天気も眺めもサイコーで、kandaさんのふるさと?トムラウシまでよく見えました。


 3日目はコケを探して尾根歩き

雄大な景色を眺めながらの尾根歩きは爽快

ずっと先まで白いチングルマのお花畑

花びらが散った後の綿毛のチングルマもきれい

浄水器で、雪解け水から飲み水を確保中

360度こんな感じ。絶景すぎる高根ヶ原の名もなき場所からの眺め

3日目はいよいよ“幻のコケ”探しに出発ー!
氷河時代に思いを馳せるべく、目的地に向け、花が咲き誇る高根ヶ原の尾根をひたすら歩きました。勾配が少ないうえに、いらない荷物はテントに置いてきたのでらくちん♪
石や岩だらけのところにもコマクサの群生ほかたくさの花が咲いていました。大きな石の後ろに必ず生えているのがハイマツ。風下側は雪が残って水がたまるからだそうで「しっぽ状植生」というそうです。石が大きいほどハイマツも長くて立派で、その先には草花も。まるで「だるまさんが転んだ」でオニに見つかって並んでる人たち状態?・・・ってわかりづらいですが・・
それにしても、高根ヶ原の名無しの場所(標高1881m)に立つと、地平線が見渡す限り山という素晴らしい光景でした☆

肝心のコケ探しは・・・
目指す湿地まで無事たどり着きました。で、その詳細についてはまた別の機会にご報告させていただきます。

 4日目は雨と風の中の下山

方向を見失わないようにロープ伝いに歩きます

もしも滑ったら・・・とは考えたくないけっこうな斜面

雨上がり、木に生育するいろいろなコケを観察中

登山道を整備してくれる人と出会う・・

シカたちに遭遇。右端が今年生まれた子ジカで、隣がお母さん!

帰りは、来た道を戻ります。夕方からお天気が崩れ、小屋に戻った頃には雨が降り出し、おまけに雷も!この日はテントをあきらめて小屋に泊まることにしました。

4日目は、風雨の中の下山。
視界も悪いので、道のない雪渓の上はロープ伝いに慎重に・・・。でも悪天候の山もそれなりに面白くて貴重な経験。気を付けながら泥だらけになりながら下りてきました。
だいぶ下ったところで雨も上がり、ひと休み。ヘトヘトの体に温かいコーヒー、生き返る〜。第1花畑近くまで来ると、草を食む4頭のシカを発見!お尻に白いハートマークがあったので全部メスで、今年生まれたという子どもがカワイイ・・・。
雨上がりはコケや地衣類もイキイキでした。

途中、板を担いだお兄さんにも遭遇。山を往復しながら登山道を整備してくれているそうで、おかげで山登りが安全に楽しめるんですね、ありがとうございます!


 大雪山で見た植物や生き物たち


全部ではありませんが、今回の旅で出会った植物や生き物たちをまとめてみましたー。

パンフレットによると、大雪山をアイヌの人々は「カムイミンタラ=神々の遊ぶ庭」と呼ぶそうです。どんなに遊んでも飽きなさそう。。

 下山後は温泉でのんびり!

愛ですね♪

コケ調査中です
今回の大雪は高山植物が最も咲いている時期で、動物もクマ以外はほとんど会え、本当にラッキー!快晴も悪天候も満喫しました。
下山後は、初日に泊まった大雪高原山荘の露天風呂へ。なぜか体のあちこちにあるアザに驚きながら(笑)、身も心もさらに癒されました〜〜

おまけ・・・
4泊目は層雲峡の旅館に泊まったのですが、そこで感動したのがkandaさんご夫妻の靴!!底がはがれてしまった妻の靴はkandaさんによって手厚い応急処置が施され、沼でも水たまりでも普通に入っていくのでビショビショな夫の靴はmichikoさんによって手厚くキノコみたいにされてましたー☆(上の写真です)


コケの調査結果は、後編にご期待ください!

(kao)